2012-08-15

遠くのほうから声がしたけど 聴こえないふりして 運河に架かった橋を渡る 西日に輝く水面は眩しくて 私はひとりだってことを忘れさせてくれる 寂しさとは違うけど 渡りきるには未だ早いから 日暮れ前 秋の予感と戯れる

 

2012-08-14

ダイスを転がすまでも無く 君と僕の人生は決まっていたのだから スポットライトの途絶えたリングの上で ふたり肩を組んで健闘をたたえ合うことに どれだけの意味を見出せば良いのだろう 

 

 

2012-08-13

伸ばした手のひらをすり抜けるように グラスのなかで氷が弾けた 君と一緒だね ふちに付いた口紅を小指で拭い ふたりの間には何もなかったような顔して 物憂げなため息ひとつ そんな夜もあって良いものだと 満月はそ知らぬ顔して雲に隠れた

 

(Full ver.)